現存する最古のタロット 3種のヴィスコンティ版

いわゆるビスコンティ版と呼ばれているタロットがこれです。
いくつかのヴァージョンがある中で、欠損が少なくほぼ完全な状態でのこされているタロットが下記となります。

ヴィスコンティ版キャリー・イエール・パックの「皇帝」

米コネチカット州イエール大学所蔵

別称「ディ・モドローネ・パック」

  • 正面を向き王座に腰かけている
  • 甲冑を身にまとっているのが特徴
  • 周囲に小姓を侍らせている
  • 推定1428年に、ミラノ第三代公爵フィリッポ・マリア・ヴィスコンティと二番目の妻との結婚を祝したものと考えられ、これが最古のヴィスコンティ版の可能性が強い。
  • インターネットタロット美術館へ

ヴィスコンティ版ブレラ・ブランビラ・パックの「皇帝」

伊ミラノのブレラ美術館所蔵

  • 正面を向き王座に腰かけている
  • 黄金のゴージャスな毛皮を身にまとっている
  • 1412~1447年フィリッポ・マリアが即位していたこの時期に、フィリッポのために画家ザヴァッタリによって描かれた可能性あり。この版に見られるのが多くヴィスコンティ家の紋章で、スフォルツァ家の紋章はほとんど見当たらない。1442年発行されたフローリン金貨がカギかもしれない。
  • インターネットタロット美術館へ

ヴィスコンティ版ベルガモ・パックの「皇帝」

NYのピエールポント・モルガン美術館と伊ベルガモ美術館の2か所で所蔵

  • ゴージャスなガーメットを身にまとっている
  • 正面ではなく斜めから描かれている
  • 1450年以降、ミラノ第四公爵スフォルツァのために描かれたものと類推される。スフォルツァ家とヴィスコンティ家の紋章が最も多く並べられて描かれており、最も新しいヴィスコンティ版だという説が有力。
  • インターネットタロット美術館へ

 

こちらはベルガモ・パックの復刻版。欠損3枚がメイカーにより補完され、78枚フルセットで仕立てられている美品。タロット愛好家ならひとつは所有しておきたい逸品だろう。

最近では、現存する最古のタロットはブレラブランビラ版だろうとうたわれる傾向のようですね。

いかんせん、近年の自称タロット研究家たちの見解というのは各自が集めた状況証拠に基づく推論の強調どまり。
いや、ご研究作業諸々大変ありがたく、感謝の念を禁じえません。がしかし、1400年代フランス・イタリアに関します何らかのご調査をも少ししていただけても・・・当サイトでは引き続き疑問を提唱、独自に調査し続ける所存。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    未分類

    前の記事

    占いマンガの解説